設計ステージにおける損失排除

EXAKTは、従来型クロスオーバー設計につきものの振幅及び位相の歪を除去します。デジタルで信号を帯域分割することで歪をゼロとし、最後の一音まで完璧にドライブユニットに届けます。あなたがEXAKTで耳にする音楽は、録音されたものに最も忠実な再現音であるのです。

アナログクロスオーバーにおける歪

各ドライブユニットが再生できるように帯域を分割するクロスオーバーがスピーカーに内蔵されています。

Crossover

クロスオーバー設計例

しかしながら、アナログの世界においては理想的な状態のクロスオーバーを実現させることは不可能なのです。どうしても振幅と位相に歪をもたらすことになるからです。

振幅における歪

製造上のバラつきのため、クロスオーバーを構成するあらゆる部品はそれぞれ個別の特性誤差を有しています。スピーカーシステムに内蔵されるアナログクロスオーバーはどれ一つとして同じ動作をしていません。つまりクロスオーバーポイントは変動を余議無くされ、期待される周波数と外れたレスポンスの山谷が発生します。現実問題として設計とは違う振幅歪がアナログクロスオーバーでは発生してしまうのです。

アナログクロスオーバーにおける振幅歪

パッシブクロスオーバーでは、クロスオーバーポイント付近において深刻な偏差か発生します。たとえ構成パーツそれぞれは小さな偏差としても、クロスオーバー全体としては大きな誤差になってしまうのです。

アクティブクロスオーバーは低電圧、低電流領域で動作するため正確性は改善でき、構成デバイスの偏差による影響も低減します。振幅の誤差低減に貢献するものの、依然として振幅歪は残留します。

Room Mode Optimisation

振幅歪は、全てのアナログクロスオーバーで発生します

EXAKTによる振幅歪の根絶

EXAKTのクロスオーバーはデジタル領域で帯域分割を実行します。信号経路にはアナログのデバイスが存在せず、結果音楽信号を歪ませる個別パーツの偏差が排除され、正確な帯域分割がギャランティーされるのです。EXAKTシステムでは振幅歪は文字通りゼロとなり、常に設計者の意図通り作動するのです。

Crossover

ゼロ偏差のEXAKTにより、このクロスオーバー設計は現実のものとなります

位相の歪

ピアノとオーボエで「標準ピッチのA音」を奏でたとすると、その基音周波数は同じ440Hz です。それぞれの音色が違ったものと感じられるのは異なった倍音成分、すなわち基音の上で様々な周波数成分が混ざり合う結果です。基音と倍音の繊細な混じり合いがより正確にシステムから再生できれば、それぞれの楽器はよりリアルに聴こえるようになるでしょう。

アナログクロスオーバーは、基音と倍音に相対的な遅延を発生させるため耳に届くべき本当の信号を歪ませてしまいます。その合成として届く再生音は、耳に若干の逆相成分として感じられ、楽器本来の音色にブレを与えることとなります。

また、アナログクロスオーバーにおいては、高域が常に低域に先行し、ドライブユニットそして実際にリスナーの耳に到達する時間に常にずれが生じているのです。

EXAKTによる位相歪の根絶

EXAKTは低域の再生とタイミングを合わせるよう高域を適切に遅延させています。リスナーの耳に再生音が届く時に、完璧なタイミングで楽音の基音とその倍音が甦り、丁寧に保存されていたそれぞれの楽器本来の個性が再現されるのです。

Phase distortion

アナログクロスオーバーによる位相歪発生の概念図

Phase distortion

EXAKTクロスオーバーによる位相歪の根絶概念図