DSMのHDMI接続例(ご使用になるDSMの仕様にご注意ください。)

DSM

M=Music, Movie, More!

DSM + HDMI
  • HDMI伝送に対応したDSM

2007年に誕生したDSシリーズは、ネットワーク上の音源を最高の音質で楽しむために開発されました。他社に類例を見ない、FPGAに自社開発ソフトウェアを書き込むことで先進のデジタルプロセッシングと自在のコントロールを実現した理想のデジタルプレーヤーとして愛好者を増やし続けています。

新DSMシリーズは、DS機能に加えて高性能プリアンプ/パワーアンプ(モデルによる)を内蔵していることや豊富な外部入力端子を装備することで、従来からのオーディオファイルはもとよりリビングシーンで活用する多くのクオリティーミュージックファンに対象ユーザーを広げました。 そんなDSMの特徴の中で、最も特徴的かつ注目度が高いのは、何と言ってもHDMIをインターフェイスとする様々な映像コンテンツの高音質再生でしょう。身の回りには、ブルーレイ再生機をはじめ、HDDレコーダー、セットトップボックス(各種チューナー)、Apple TV、ゲーム機などなど…HDMI接続を前提としたAV機器が今や一般的で、最も標準的なAVインターフェイスとなっています。これらのすべてをDSが実現してきたクオリティーで再生できることは、ミュージック/シアターファンの夢であり、まさにライフスタイルを劇的に変化させる出来事になりえるのです。

  • なぜDSMのHDMI再生は、これほどまでに音がよいのか?
  1. HDMI伝送では、映像信号と音声信号が同時に伝送されてきます。そのため音声再生においても映像信号と共通のビデオクロックを使用しなければなりません。この方式では、SPDIFインターフェイスを上回るクロックジッターの存在が避けられません。LINN DSMでは、独自の「2-stage clock recovery process」を採用。DSMが受け取ったHDMI信号を映像と音声に分離し、音声再生には最適なクロックをDSMが改めて与えて、極めてジッターレベルの低い音声信号に再生成します。(この再生方式は、技術公開を必要とする特許の取得をあえてしていません。)
  2. HDMIの再生においても、DSで行っているBIT拡張/アップサンプリングとDACシステムをそのまま活用。(BIT拡張:35bitデジタルプロセッシング、アップサンプリング:384/352.8kHz)
  3. 独立したHDMIボード(6層基板)を与え、メインボードとの電源の独立化、グラウンドプレーンの独立化を実現。
  4. HDMIボードとメインボード間など製品内のデジタル伝送には、高周波伝送のテクノロジーであるLVDS(Low Voltage Differential Signaling)を採用。ノイズの混入の遮断と、自身の発するパルスノイズを極小化しデリケートな音楽信号にふさわしい高精細なコネクションをン実現しています。しかもこのシステムは余計な回路の追加なしにDSMの心臓部FPGA内部で行うことができます。
  5. DS開発の経験で誕生した数々のアイソレーション技術をアナログセクション、デジタルセクション双方で惜しみなく投入しています。
  6. HDMIコネクションから混入する可能性のある様々なノイズの対策として、各HDMI端子には巧妙なフィルタリングを施しています。
DSMシステム例
  • ステレオシステム

ブルーレイなどの高品位映像コンテンツがいかに素晴らしいかは、DSMによって瞬時にご理解いただけるはずです。ぜひ専用ルーム、リビングなどのご家庭のシステムで楽しんでいただきたいのです。スピーカー2本、つまりステレオシステムで全くかまいません。一般的なサラウンドシステムより、DSMでのステレオシステムの方が明らかに素晴らしいと感じられても何ら不思議ではありません。問題はスピーカーの数ではなくて“音質”であることは明白です。 また、音楽システムと映像システムを別に用意する必要などもありません。音楽にもブルーレイ再生にも最高なDSMを中心とするシステムは、究極のシンプルさでこの上ない音質をかなえてくれます。

システム構成は、いたって簡単。プリアンプ(パワーアンプ)を内蔵しているDSM(→パワーアンプ)からスピーカーというノーマルな接続に、ブルーレイなどを外部入力としてDSMに接続してください。映像は、DSM経由でTVに送られますので、DSMのHDMI出力端子からTVのHDMI入力端子に接続します。

  • サラウンドシステム

環境が許す方は、ぜひDSMを中心とした究極のサラウンドシステムをお楽しみください!DSMの優れた再生クオリティーは、本格的なサラウンドシステムに加えたいと思わせるに十分すぎるもの。フロントメインchの高音質化は、サラウンド全体の印象をとても大きく変えます。またDSMの「2-stage clock recovery process」は全チャンネルに影響力を持つため、センターchやリアchからの実際の音質もグンとクオリティーアップし、それまでとはまったく違うスーパーリアルな実在感と、突き抜けた解放感をもつ音場再現力に驚かれることでしょう。HDMI伝送されるブルーレイからのハイレゾリューション音声の本当の姿を実感されるに違いありません。

  • DSM + AVアンプ

① UNITY-GAINを使ったサラウンド構築

この方法は、高音質ステレオシステムとAVアンプを共存させるシステムで一般的に使われる接続です。基本的にHDMI再生は、AVアンプに一任しフロントチャンネルのプリアウト信号をDSM(プリアンプ)に接続します。DSM側は、AVアンプ接続の端子設定を「UNITY-GAIN」つまりボリューム固定とします。これにより、DSMのシステムはAVアンプの下流に入りパワーアンプ以降の役割として動作します。システムのマスターボリュームはAVアンプですので、今まで通り音量調整などの操作は、AVアンプで行ってください。このシステムのメリットは、それまでのAVアンプの使い勝手に変化を与えないということでしょう。つまり、すでにAVアンプでお楽しみになっている方にとっては、「パワーアンプの性能が上がった」という音質アップを実現でき、また音楽再生においてはDSMの特徴である優れたネットワーク再生、外部入力に対する高品位DAC/プリアンプ機能をお楽しみいただけます。

② HDMIチェーン接続によるサラウンドシステム

                

※この接続方法は、KLIMAX DSM2,AKURATE DSM3,MAJIK DSM3の各モデル、またDSMのファームウエア Davaar50以降では、ご利用頂く事ができません。(上部、UNITY Gainを使用した方法で接続をお願い致します。)

DSMのHDMI再生能力をフルに使った接続方法がこのシステムです。過去に例のない接続方法ですので接続/設定方法をご理解いただく必要がありますが、サラウンドの音質を劇的に高める新方式です。サラウンド信号の内フロントch信号は、DSMが誇るHDMI高音質再生能力、超高精細プリアンプ部を漏れなく活用できます。このシステムでは、①のシステムとは逆で、DSMの下流にAVアンプが接続されます。全チャンネルを制御するマスターボリュームは、DSMにゆだねられ、このために開発されたマルチチャンネルデジタルボリュームが受け持ちます。つまりAVアンプとは関係のない、ネットワーク再生、DSMに接続される他のソースの再生でも、サラウンド再生でもDSM側のボリューム操作でシンプルにコントロールできることになります。

HDMIチェーン接続セッティング手順
  • HDMIチェーンサラウンドシステム原理

ブルーレイプレーヤーからのHDMI信号はまず初めにDSMに入ります。DSMはHDMIで運ばれてくるサラウンド信号の内、フロントメインチャンネルのみ自身で再生し残りのチャンネル(センター、リア、サブウーファ)はHDMI OUT端子から後方にスルーします。スルーされた信号は待ち構えたAVアンプが再生を行い、DSMでの再生とAVアンプでの再生が協力しサラウンド音声を構成します。この時AVアンプのボリュームは0dB(ユニティーゲイン)に固定し“リアチャンネル用DAC+パワーアンプ”として動作させます。映像信号は、AVアンプのHDMI OUT端子よりTVへと接続してください。

  • セッティング手順

A. ブルーレイプレーヤーの準備

A-1.ブルーレイプレーヤー/レコーダーの設定

DSMは、PCM信号再生に特化した再生機器です。ブルーレイプレーヤーは、設定メニューからHDMI出力設定を「PCMマルチチャンネル」としてください。

A-2. ブルーレイプレーヤー機種のご注意

少し古い機種の場合、モデルによってはHDMIのPCMマルチチャンネル出力設定ができず、PCMステレオ出力のみの場合があります。その場合PCMマルチチャンネル出力可能なブルーレイプレーヤーをご用意ください。事前に取扱説明書などでご確認いただくことをお勧めいたします。

B. AVアンプの準備

B-1. キャリブレーション設定

まずAVアンプ単体(DSMなし)でサラウンド全チャンネル(5.1ch)のキャリブレーション設定を行います。フロントchを含む全てのスピーカーをいったんAVアンプに接続し、AVアンプ単体でキャリブレーション設定(各スピーカーのレベルと距離設定)を行ってください。これで、ベースとなる5.1chスピーカー群の適切な関係が構築されます。つまりDSMがない状態で、5.1ch調整がされている状態です。

B-2. DSMの接続

1の設定が完了しましたら、フロントスピーカーの接続を、本来の状態に戻します。図③をご参考に、ブルーレイプレーヤーとDSMの接続、DSMとAVアンプの接続、DSM(+パワーアンプ)とフロントスピーカーの接続を完了させてください。

B-3. AVアンプのボリューム値

この接続では、DSM がマスターボリュームとなり、AV アンプは“フロントch 以外の DAC + パワーアンプ”として動作しますので、ボリュームは 0dB(ユニティーゲイン)に上げ固定した状態で使います。

C. DSMの準備

PC上のDS/DSM設定ソフトKonfig(Configurationタブ)で各種設定を行います。
ここでは、サラウンド再生に関する部分のみご説明いたします。

事前. 本体ファームウェアバージョンの確認

本機能は、Davaar7以降のファームウェアで可能です。
Konfigソフトウェアで、[該当DSM指定→Updateタブ→最新ファームウェアを指定→Updateボタンクリック]の手順でまずアップデートを行ってください。

C-1. Volume > Output Attenuationの項目(AKURATE DSMのみ)

デフォルトでは、小音量再生に便利な「-12」に設定されていますので、標準値である「0」に変更してください。

C-2. HDMI > Audio Mode項目

設定をSurroundにします。 Stereo設定のままですとDSMはブルーレイプレーヤーに対してステレオ音声を要求しますので、Surround設定に変更してください。

C-3. HDMI > Center to Front Downmix

センタースピーカーをお持ちでない方は、この項目を「Yes」にしてください。センターの信号がフロントLRスピーカーから再生されます。

C-4. HDMI > LFE to Front Downmix

サブウーファー(低音専用スピーカー)をお使いでない方は、この項目を「Yes」にしてください。LFE(低音効果音)信号が、フロントLRスピーカーから再生されます。

C-5. HDMI > AV Volume offset値の調整

この項目は、AVアンプのみで再生した時と、DSMを組み込んだ時とのスピーカーバランス(音量)をそろえる設定です。B-1でAVアンプ単体での再生時については、ベースとなるレベル調整が完了していますので、DSMの接続ができている状態(B-2、B-3)で、テストディスクの再生を行い調整します。HiVi Cast(ブルーレイ版)などに収録されている、サラウンドの音量確認音声(ピンクノイズ)トラックを再生し、フロントチャンネルとそれ以外のチャンネルの音量差を確認・調整してください。0.5dBステップで増減が可能です。

状態 設定(AV Volume offset)
フロントチャンネル(DSM)の音が大きい → 値を高くする
フロントチャンネル(DSM)の音が小さい → 値を低くする

C-6. HDMI > AV Latency値の調整

DSMで再生される音と、AVアンプでの音のタイミングをそろえる設定です。調整せずに再生を行いますとDSMから再生される音の方が早く、AVアンプからは遅く音が聞こえます。この音の遅延は、AVアンプのモデルによってまちまちですので、それぞれのAVアンプにあった設定が必要です。HiVi Cast(DVD版)などの、フロントスピーカーとセンタースピーカー、もしくはフロントスピーカーとリアスピーカーから同じ音が出るテストディスクを使い調整を行ってください。音声が2重に聞こえたり、変な残響感を感じず、スピーカー間のずれなくぴったりに再生される値を丹念に探ってください。この設定は、人間の聴覚の特性上C-5の調整と密接に関わっています。C-5の調整が正しく行われていないとC-6調整も狂ったものになってしまいます。十分な時間をかけじっくりとおこなってください。1ms刻みで、0~500msまでの調整が可能です。

設定値サンプル

現在の主要AVアンプ30機種の検証を行いました。この値を参考数値として、C-5、C-6の設定にご利用ください。ただしこの数値は、AVアンプの各種設定など、諸条件によって変わってきます。実際にお聴きになり適正値を探してください。

  • 検証には、AKURATE DSMとAKURATE 2200を使用しました。
  • 検証では、AVアンプの音場/フェイズコントロール回路はOFFとしております。この種の音声プロセッシングは、音声の遅れを起こしますので、ONの場合AV Latency(C-6)の数値を大きくする必要があります。
  • パワーアンプ/スピーカーのモデル違いによって、AV Volume Offset(C-5)の数値は変わります。
  • 最初のAVアンプのみのキャリブレーション調整の正確性が、DSMとの調整の成功に大きく影響します。昨今のマイクを使った自動調整も思いのほか誤差がある場合がありますので、おかしいと感じられたときにはやり直してください。

AVアンプ DSM
メーカー モデル Vol.値 モード AV Volume Offset AV Latency
YAMAHA RX-A3010 0dB PURE DIRECT 3.0 139
YAMAHA RX-A2010 0dB PURE DIRECT 3.0 139
YAMAHA RX-A1010 0dB PURE DIRECT 6.0 114
YAMAHA RX-V773 0dB PURE DIRECT 5.0 109
Pioneer SC-LX85 0dB PURE DIRECT 3.0 133
Pioneer SC-LX75 0dB PURE DIRECT 3.0 133
Pioneer SC-2022 0dB PURE DIRECT 3.5 113
Pioneer SC-LX56 0dB PURE DIRECT -5.5 131
Pioneer VSA-922 0dB PURE DIRECT 3.5 114
Pioneer VSA-822 70 PURE DIRECT 1.0 112
Marantz AV7005 0dB PURE DIRECT 5.0 110
Marantz SR7005 0dB PURE DIRECT 5.0 110
SONY TA-DA5700ES 0dB/82 A.F.D. 3.5 127
ONKYO TX-NR5010 0dB/82 PURE AUDIO 5.0 112
ONKYO PR-SC5509 0dB/82 PURE AUDIO 6.0 125
ONKYO TX-NR1010 0dB/82 PURE AUDIO 3.0 122
ONKYO TX-NR818 0dB/82 PURE AUDIO 4.5 121
ONKYO TX-NR717 0dB/82 PURE AUDIO 3.0 116
ONKYO TX-NR616 0dB/82 PURE AUDIO 4.0 114
ONKYO TX-NR515 70 PURE AUDIO 2.0 114
Integra DTR-70.3 0dB DIRECT 7.0 121
Integra DTR-20.3 82 DIRECT 5.0 115
DENON AVP-A1HD 0dB DIRECT 3.0 110
DENON AVC-A1HD 0dB DIRECT 2.0 109
DENON AVR-4311 0dB PURE DIRECT 6.0 113
DENON AVR-3313 0dB PURE DIRECT 4.5 180
DENON AVR-2113 82 PURE DIRECT 4.5 128
DENON AVR-1713 82 DIRECT 3.0 107