モジュール形式のLP12についてよりご理解いただくため
構成製品と仕組みについて改めてご紹介するコラムを連載させていただきます。
LP12のパフォーマンスにとって、優先順位の高いセクションから順にご紹介していきます。
A.本体 – LP12メカニクス
B.底板/脚部
C.サブシャーシ
D.電源/モーター
E.トーンアーム
F.カートリッジ
G.フォノイコライザー
D.電源/モーター
「レコードプレーヤーの音質はカートリッジで決まる」
と思われてきた常識を世界各国で変えてきたのが、LINN LP12です。
発売以来一貫して、LINNはカートリッジよりも電源のアップグレードを
優先してオススメしています。
イメージしてみてください。カートリッジは決して自ら走ることはありません。
カートリッジの針先にエネルギー(=音楽)を与えている、
つまりカートリッジに仕事をさせているのは、
定速で回転するターンテーブルに乗ったレコードです。
ターンテーブルが回転することによって、
レコード盤に刻まれた凹凸がカートリッジを震わせます。
正確で究極的にスムーズなターンテーブルの回転なくしては、
ガタガタの音しかカートリッジに伝えられません。
LP12の核であるターンテーブル/ベアリングの精度と、
ターンテーブルを回すモーター駆動システムが
レコード再生の源となっていることは明らかなのです。
RADIKAL
DCモーター
現在LP12の電源は、3方式4機種のラインナップ。
それぞれの方式は、別タイプのモーターとのコンビネーションで動作します。
■MAJIK LP12 Power Supply/ACシンクロナスモーター
最もベーシックな電源。
ご家庭のコンセントに来ている100V商用電源でダイレクトにモーターを駆動します。
50Hz(東日本)、60Hz(西日本)地域で、
それぞれにプーリーサイズを合わせたモーターを使います。
モータースピード調整機能を待たないので、
ターンテーブルの速度調整は、モーター取り付け角度(傾き)で調整されます。
■LINGO/4/ACシンクロナスモーター(小電力タイプ)
2018年第4世代となったAKURATEグレード外付け型電源。
上級機RADIKALの技術を応用し、
FPGA上デジタルで正確な2つのサインウェーブを生成。
オーディオクオリティーDACでアナログ変換したのち
2基のA級アンプがモーターを駆動します。
高精度・低ノイズのモータードライブシグナルは正確な回転と振動のない動作を実現し、
LP12ターンテーブルの工作精度を引き立てます。
セルフキャリブレーション機能により速度調整の必要もありません。
■RADIKAL/DCモーター ■RADIKAL-AK/DCモーター
グレードの違う2つの製品をラインナップするRADIKALがLP12電源の最高性能機です。
100Vの交流電源がプレーヤー内に引き込まれるMAJIK LP12に比べ、
RADIKALではたった0.2Vの直流電源が送り込まれるため、
デリケートな音楽信号に与える影響は極小。
また採用された小型のDCモーターは、コギングが少ないという回転精度への利点に留まらず、
ACモーターに比べモーターからの磁束漏れがとても少ないため、
磁力が直接的に影響するカートリッジにとっても最高の環境。
火星探査機にも使われる高耐久性DCモーターとRADIKAL電源ユニットの組み合わせは、
LP12の“静寂”に多大な貢献をしています。
また、後述のURIKAフォノイコライザーには、
本RADIKAL電源ユニットのみが給電可能です。
URIKAをお考えの方は、必ずRADIKAL/RADIKAL-AKをご選択ください。
MAJIK LP12 Power Supply ¥70,000(税別)
LINGO/4 ¥280,000(税別)
RADIKAL ¥750,000(税別)
RADIKAL-AK ¥400,000(税別)
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