本年45周年を迎えたLINN。 1970年代
創立から今までの各年のトピックを図案化したポスターを
プロモーションとして各所で使っていることにお気付きの方も多くいらっしゃるかと存じます。
ここで各年の訳文と、全体を5つの年代に分けた解説を少ししてみたいと思います。
お楽しみいただけましたら幸いです。
1973 Sondek LP12:生産開始、そしてLinnの誕生
1974 Isobarik:初代アクティブスピーカー
1975 新製品の研究開発が続く
1976 Isobarik:スピーカーの改良
1977 世界中にLinn製品の輸出が始まる
1978 Asak:初代MCカートリッジ完成
1979 Ittok LVII:最初のダイレクトカップルド・トーンアーム誕生
1960年代末頃からLP12の開発・生産を始めた創設者アイバー・ティーフェンブルン
(Ivor Tiefenbrun MBE)は、いよいよ1973年にLinn Productsを設立します。
「Linn」というのは、そのエリアの名称とのこと。近くにはLinnパークという公園もあります。
語源は、滝・急流などを表す言葉です。
アイバー・ティーフェンブルン/LINN PRODUCTS
いたる所でとっても評判のいい印象的なロゴマークは、もちろんアイバーのアイデアで、
センタースピンドルの先端が1点のみで接するという
LP12の「シングルポイント・ベアリング」方式を図案化したものです。
レコードにカートリッジが乗っている様子…という解説を散見しますが、
これは間違いですのでお知りおきください。
©Kenji MASUNAGA/益永研司写真事務所
レコードプレーヤーLP12の次に登場した製品はスピーカーでした。
物理学のエンジニアであるアイバーにとって、もっともアイデアを蓄積していたのが
ターンテーブルとスピーカーであったという訳です。
このスピーカー初代機には2つの世界初がありました。
その1つが、製品名にもなった「Isobarik(アイソバリック)」という低音再生技術です。
その後特許を取得するこのテクノロジーは、小さいキャビネット容積でも
正確でパワフルな再生が可能。
LINNの現行スピーカーAkubarikのほか、他社ハイエンドスピーカーでも大活躍しています。
もう1つは、スピーカーの接地にスパイクを使ったこと。
今や世界中のほとんどのスピーカーが採用していることから、
本人は「特許取得しておけば良かった〜」と柔かにくやしがっていました。
Linnの日本への輸入は、シュリロ貿易さんによって1974年に始まったと言われています。
設立の翌年ですから、かなり早いタイミングです。英国以外への初めての輸出国のはずだと、
後のメディアインタビューでアイバーも語っています。
「小さな広告を見て直感で決めた」とおっしゃる、かの有名な一関のジャズ喫茶ベイシーで
現在も稼働するあのLP12が導入されたのもこの時期です。
現在まで約44年=約528ヶ月=約16,000日…、つまり10万時間オーバーの耐久性!
LINNの開発意欲は高まるばかり。製品を次々とリリースして行きます。
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