Klimax Solo 800
最良のパワーアンプとは何か?という命題に正面から取り組み、「力まかせ」で「巨大」とは決してならない、理想的なスピーカー駆動機が完成しました。
ハイエンドのHi-Fi製品を組み合わせシステム構築していくプロセスは、ある種の妥協をしながらの主観的な作業と言えます。通常、私たちは好みのスピーカーと好みのコンポーネントを組み合わせ、うまくマッチさせることで良い結果を得ようと考えます。とはいえ個別に考えてみると、実際そこでは何が起こっているのでしょうか。完璧ではないアンプと完璧ではないスピーカーがあり、理想的なリニアリティに対して違ったズレを持つこのふたつを組み合わせて共同作業させることは、まさしく「Two wrongs can never make a right *」ということに他なりません。
*英語の慣用句:ふたつの間違いを重ねても正しくはならない
KLIMAX SOLO 800で、LINNはこの “組み合わせの試行錯誤” を回避する高性能アンプを完成させましました。
あらゆる条件下で、あらゆるスピーカーを最適に駆動することができます。
コントロールされていないパワーなんて意味がない
KLIMAX SOLO 800は徹頭徹尾、効率性と整合性と精密な回路設計の典型モデルといえます。
LINNはアナログとデジタル双方の最先端技術を組み合わせ、オーディオにおける課題を解決する唯一無二のマーケットリーダー。パワフルな増幅部は、新Adaptive BiasControlテクノロジーとのコンビネーションによって漏れなくその能力を発揮するのです。
リアルタイム適応バイアス制御
KLIMAX SOLO 800では、独自の「アダプティブ バイアス コントロール テクノロジー」を開発。リアルタイムで動的に、供給される電流値の測定・抽出・デジタル化を実行。このデータによりFPGA内で最適値が算出され、デジタルコントロールで個別のトランジスタ毎に与えられるバイアスを精密に管理・制御します。
どのような温度でも、また再生音量や音源/ソースの過酷なダイナミクスに関係なく最適なバイアスが適用され、理想的な状態であり続けることが保証されます。LINNはこの新技術により、AB 級アンプ設計の特徴とされてきたクロスオーバー歪みを解消したのです。
クールランニング
KLIMAX SOLO 800は優れた熱管理能力を備えています。性能の直線性を損なうことなく、そして内部にファンを装備することもなく、最も困難な負荷をドライブします。
両サイドの美しいヒートシンクと共に、煙突効果を利用したシンプルな内部流入構造で、冷たい空気が製品底面の通気孔から引き込まれ熱を取り除き、天面にある巧妙な通気孔から静かに排出されます。このクールランニング設計は、4Ωで最大800W、2Ωで1.2kWの特筆すべき明瞭なアンプ出力を実現する鍵となります。
最も大音量で要求度の高いパッセージにおいても製品の状態をノーマルに保ち、結果的に熱やノイズへのエネルギーロスを最小化。一貫性、効率性、製品寿命に貢献しているのです。
Klimax Solo 800
フラッグシップアンプ KLIMAX SOLO 800は、新世代のモノブロック・パワーアンプ。そのスマートな総合能力によって巨大なサイズのライバルを上回っています。
LINNのエレクトロニクス・エンジニアチームは、斬新なオリジナルテクノロジーを組み合わせて、たとえ難しい負荷がかかるスピーカーであってもアンプとしての「歪みを徹底的に極小化すること」と「有無を言わせず一貫した出力を堅持すること」に重点を置き、高調波とノイズレベルを極限の水準に押し下げることに成功しています。
上側と下側のデバイスとして配置された計16 個のトランジスタの集合体が、接続されたスピーカーから最も純粋で超リニアな信号を生成します。8ペアに振り分けられた最高性能の出力Array(配列)により、ボリュームを上げていってもオーディオ帯域全体にわたってパフォーマンスが低下することはありません。実際、音量が大きくなるほど、驚くほどアンプ全体が統制され、スピーカーから最高のものだけが得られるようになります。
また、その外観も特筆すべきものとなっています。シンプルで精巧なフロントフェイス、なだらかな絞りを効かせたエレガントなヒートシンク、ステイタスを効果的に伝えるラウンデル、誇らしげにモデル名を刻印したトップパネルなど、類例を見ないその音質的性能にふさわしい姿となっています。
Klimax Solo 800
特徴
- 妥協なく全てのスピーカーを駆動
- アダプティブ・バイアス・コントロール
- 類例の無いファンレス放熱対応
- ソフトスイッチングUtopik電源がの超クリーンかつ安定した電力生成
- 宝石のようなLinnのラウンド筐体が、印象的な色調の100個のLEDでステータスを表示
UTOPIK(ユートピック)
パワーサプライ
KLIMAX SOLO 800に搭載される、まったく新しいUTOPIKスイッチモード電源トポロジーは、精密に統制された電源レールを備えます。保持速度、応答性、完璧な効率を維持しながら2kWもの最大電力を生成し、まさに“いいとこ取り”の能力を有しています。
それは本当に素晴らしく安定した出力能力で、アンプ動作の劇的な変化に直面しても一貫して機能します。さらには入力電源の変動に対しても影響を受けず、つまり一次側と二次側双方の変動を苦にせず、常に安定した超高純度出力を保ちます。
ほとんどのモノブロックアンプは、ノイジーでそして巨大なリニア電源を使用しています。LINNは、現行アンプラインナップ全てにスイッチモード電源を採用しています。スイッチモード電源のノイズもまた、完全なゼロではありません。しかしリニア電源との決定的な違いは、このノイズがとてつもなく高い周波数レンジであり、人間の可聴範囲をはるかに超えていることです。
UTOPIKでは、LINNの長いスイッチモード電源技術の蓄積に「ソフトスイッチング」と呼ばれる技術を採用し、スイッチングノイズの極小化と動作の高効率化をさらに一歩前進させました。ソフトスイッチングとは、共振タンク回路によってスイッチがONとなる前にスイッチ両端の電圧を確実にゼロとする技術です。この効果によって、KLIMAX SOLO 800のUTOPIK電源はよりクリーンかつ効率的で、動作条件の如何に関わらず静音性を保ちます。
詳細情報
フラッグシップモノラルパワーアンプ
チャンネル数 | 1 |
最大出力 | 800W / 4Ω |
400W / 8Ω | |
1.2kW / 2Ω | |
アンプテクノロジー | Adaptive Bias Control |
電源 | Utopik (2 kW Max) |
入力端子 | RCA フォノ端子 x1 |
バランス端子 x1 | |
パススルー端子 | RCA フォノ端子 x1 |
バランス端子 x1 | |
スピーカー出力 | バナナ端子 / バインディングポスト |
出力インピーダンス | 0.01Ω @ 1kHz |
THD+N, 4 Ω | 0.0005% | 1kHz | 800 W |
THD+N, 8 Ω | 0.0004% | 1kHz | 400 W |
THD+N, 2 Ω | 0.0006% | 1kHz | 1.2 kW |
仕上げ | シルバーアナダイズド、ブラックアナダイズド |
寸法 | |
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幅 | 350 mm |
高さ | 268 mm |
奥行 | 412 mm |
重量 | 27 kg |
価格 | ¥ 15,400,000(税込)/ペア |